2016年6月17日金曜日

第18回 放射性核種の放射能量減衰計算ツールの紹介

今回は、放射性医薬品を想定した放射能量の減衰計算をご紹介したいと思います。

OsiriXは画像解析アプリケーションですので、直接は関係ありませんが、DICOM画像のメタデータから投与量と投与時刻、撮像開始時刻を確認し、これらの情報から撮像時に放射能がどれだけ残っていたかを確認する作業を行う可能性もあるのではないでしょうか。

この作業を簡単に行うために、独自にツールを開発している施設は多いと思います。

今回は、Queensland大学でedXの講義ツールとして開発された放射能減衰計算ツールをご紹介いたします。


使いながら覚えよう!


例に沿って、お話を進めます。

早速、ツールを別ウィンドウで起動してください。


ツールはこちら。

以下のようなインターフェースが起動します。



今日(あなたがこのブログを読んでいる今日)、12:00にフルオロデオキシグルコース-18(F-18)が400MBqだったとします。

これが、当日の14:00にはどのくらいに減衰するでしょうか?


非常に単純な例です。このツールを使って1分もかけずに調べることができます。

1. Isotopeを選びます:  F-18
decay calculator
2. 初期状態のD1に日付と時間を入力します: 24時間表記です。
decay calculator
3. 調べたい時間帯D2を入力します:上記と同様の操作で、D2を入力。
4. 単位を選択します: MBq
decay calculator
5. 放射能量を入力します: ここでは4001とします
decay calculator
6.右上のCalc button をクリックし、減衰後の放射能量を計算します。 (187.76MBq)
decay calculator
7. 減衰計算過程の結果を見やすくするために、Calc横のChartボタンで、チャートを確認できます。グラフをタッチして、各時刻の放射能量を確認できます。
decay calculator

以上です。うまく操作できましたか?
もし、計算結果が異なってしまった場合は、設定を再度確認してみてください。


最後に



今回はOsiriXを使っているときにあると便利な放射能量の減衰計算ツールをご紹介いたしました。このツールのご紹介を通じて、何かのお役に立てば幸いです。

Visionary Imaging Services, Inc.は、イメージング技術サポートを通じて、創薬研究や医療機器開発など、臨床試験や臨床研究サポートサービスを展開しています。
医療機関や教育機関向けのOsiriXサポートも行っております。
よろしくお願いいたします!



2016年6月15日水曜日

第17回 OsiriXでRECIST1.1評価を学ぶ!(評価クライテリアシリーズその1)

今回は、医薬品・医療機器開発を支援する医用画像技術の紹介の第1弾として、治療の効果判定や抗がん剤の薬効効果判定に利用される評価クライテリア「RECIST」(バージョン1.1)をOsiriXとエクセルを使って実施する手順をご紹介いたします。

RECIST(れしすと)??と思った方は、そのまま読み進めていただければ幸いです。

OsiriXには、有償ですが、RECIST1.1評価用のプラグインプログラム(aycan社製:30日間の無料お試し可能)があります。
このような有償のプラグインは、独自のROIマネージメント機能があり、計測結果を自動でデータテーブルにするなど、RECIST評価を効率化してくれます。

(RECIST1.1評価用のプラグインプログラム(aycan社製))
※サンプルです。実際の計測シーンではありません。

しかし、本ブログでは、無料、かつ、なるべく本質的なことを捉えていく・考えていくために、あえてこういった便利機能のない状態で、評価方法を考えていきたいと思います。

RECIST1.1については、参考資料を本稿末尾に添付しています。ビギナーの方のご参考になれば幸いです。

まえおき:医薬品・医療機器開発と画像評価


抗がん剤を始め、認知症の診断薬や、糖尿病治療薬、関節リウマチ治療薬、心血管系治療薬、造影剤などの医薬品、カテーテルなどの医療機器の開発にCTやMRIなどの医用画像が利用されていることをご存知でしょうか。

なぜ利用されるのかというと、画像から客観的な評価をするためです。

例えば、抗がん剤の例では、抗がん剤を投与する前と投与した後とでその画像を比べると、がんの影が小さくなったり、なくなっていれば良くなっていることがわかり、がんの影が変わっていなかったり、増えていたり、大きくなっていたりすれば悪くなっていることがわかります。

このように体内の状態を可視化することで、解剖学的な形態や機能が数値として表現できるようになるため、これらの客観的な解析結果が、医療技術開発のエビデンス(根拠)として利用できるようになるということになります。

しかし、この画像評価は、どのように評価を行うかによって、結果が異なってきます。

世界中のたくさんの科学者が、個々でばらばらに独自の方法で画像評価を行っていては、どの手法で得られた結果が適切なものか意見が分かれ、コンセンサスが得られにくいという非効率が生じます。

そのため、世界中からコンセンサスを得られるように統計的にもよく考慮された画像評価方法(評価クライテリア)が開発されています。

抗がん剤の領域では、医薬品開発や治療の経過観察などのために、このような評価クライテリアが開発されており、その代表的なものがRECIST1.1です。

RECIST1.1


RECIST1.1は、固形腫瘍を対象として、CTやMRIの画像に映し出された病変を経時的に計測し、治療の効果を調べる方法の一つです。レントゲン画像、超音波、PET、あるいは日用品のカメラなどで撮影された画像を利用することもあります。

参考資料を添付します。



その他の評価クライテリア

RECIST以外にも、腫瘍あるいは何らかの疾患の種類別に評価クライテリアが開発されています。
以下、悪性新生物を対象とした代表的な評価クライテリアを挙げます。RECISTでも、疾患によってモディフィケーションがある場合は、名前の違う兄弟クライテリアが開発されたりしてます。

標準のOsiriXでRECIST1.1評価を試みる


RECIST1.1の手順を、OsiriX-KANAGAWAを使って検証的にやってみたいと思います。
ただし、筆者は放射線画像診断医や腫瘍医ではありませんので、実際のところと違う部分があるかと思います。技術者の視点から、ご紹介させていただきます。

今回、OsiriX-KANAGAWAの他、評価結果入力用にエクセルも準備しました。
今回のエクセルはこちらからどうぞ。

では、はじめていきましょう。

データベースを作る


最初にやることは、メインの画像データベースとは別に、固有の臨床研究/試験用のデータベース(評価用データベース)を作ります。
こうしておくことで、オリジナルのデータに手を加えずに残し、評価用データベースで匿名化や盲検化もできますし、被験者ごとの画像データのセレクションが行えます。画像データのセレクションというのは、評価に必要なデータだけをデータベースに用意しておくという意味です。

今回は、簡単にするために、任意のフォルダにデータベースを作ります。

やり方は簡単です。

好きな場所にフォルダを作っておきます。例えば、今回はOsiriX Dataの中に、RECIST TEST DBフォルダを作っています。
そして、OsiriX-KANAGAWAのメニューから、File>New database folder...を選択し、先ほど作っておいたRECIST TEST DBを選択します。すると、OsiriX-KANAGAWAのデータベースパネル(Sources)に、新しくデータベースが認識されます。


(データベースが追加された状態、データはインポート済み)

あとは、このDBに、評価対象の画像データをドラッグ&ドロップしたり、インポートしたりして、画像データを追加して完了です。

この例では、フォルダを作りましたが、このやり方でなくとも、外部のデータベースやDICOM nodeとリンクさせてもOKです。

ベースライン評価を行う


データベースができたら、あとは評価あるのみです。

RECISTでは(RECISTに限らずですが)、治療前の時点を、ベースラインと呼びます。
このベースラインを起点として、次の時点がTIMEPOINT1、TIMEPOINT2...と続きます。

このTIMEPOINTはVISIT(ビジット)と呼ばれることもあります。(語源は、CRAがデータを病院に回収しに訪問することと考えられます。)

まずは、この起点となるベースラインから評価をしていきます。

画像評価の流れは、以下のように進めていくことを考えました。
  1. 病変(Lesion)を見つける
  2. 測定して、測定可能病変かどうか見極める
  3. 標的病変を決め、ROI保存、キーイメージ保存&エクセル入力
  4. 非標的病変を決める
  5. その他の所見があればメモする
今回は、簡単にするために、肝臓に標的病変が一つだけある場合をシミュレーションしてみます。標的病変が多い場合には、同様の手順を繰り返すだけです。

まず、ROIの計測ツールで、長径を計測します。
ここでは、リンパ節病変ではない病変(長径を30mm)を標的病変と仮定します。

(ROIツールを選択)
(計測:サンプルですので、病変はありません)

OsiriXでは、ROIがデータベースに残るので、いつでも参照し直すことができます。
また、計測値をKeyイメージとして記録しておくと、見返す時に便利です。Keyイメージの設定と表示については、またの機会にご紹介いたします。

ここで、エクセルに、ターゲットリージョン1として、計測値を記録します。
エクセルのTarget region1の計測値に30を入力します。

これで、ベースラインの計測を終了します。
続けて、次のタイムポイントの評価シリーズ画像を表示して、ベースラインの標的病変と同じ病変を同じ方法で計測していきます。

フォローアップ評価を行う


フォローアップでは、ベースラインよりもあとの画像を評価していきます。このとき、ベースラインと同じ病変を評価しなければなりません。
そのため、ベースラインの画像とフォローアップの画像とを並べて表示すると評価がスムーズに行えます。
ここで、表示シリーズ間でスライス位置の同期をOnにしておくと便利です。

(Sync series different studies at current positionをチェック)

この設定後、ベースラインで決めた標的病変と同じ病変を計測します。

(ベースラインで計測した病変をフォローアップ計測)

シリーズ同期をしておけば、ベースラインの計測ROIとほぼ同じスライスで計測ができ、病変も間違えにくくなくなります。

そしてKeyイメージ設定&エクセル入力(長径16mmとします)を行います。

このシミュレーションでは、標的病変1つのみを対象としていますが、実際に他にも病変がある場合には、ベースラインで決めた標的・非標的病変、およびその他の所見を確認する必要があります。

ベースラインとTIMEPOINT1だけの計測ですが、エクセルは次のようになりました。

(BSに30mm、TP1に16mmを入力)

(46.67%縮小し、時点評価はPR)

このように、エクセルにはフォローアップがあれば続けて入力していきます。
そうすると、病変の計測値の径和から、変化率を算出でき、その変化率をもとに、CR、PR、SD、PDの時点評価を得ることができます。

いろいろと使える機能


シンプルにRECISTだけを行う場合は、上述の方法だけでもできるのですが、やはり、癌を撲滅することを目的とした研究で利用されることが多いということもあり、データの保管や、少し計測方法を変えてみたりと、工夫をされることもあると思います。

ここでは、少しだけ、便利機能を紹介します。

・ROIデータの出力

OsiriXで設定したROIは、xmlデータで出力できます。
ROIマネージャで一覧表示もできます。
画像ではなく、数値データが欲しい場合など、便利に使えます。

・体積の測定

ROIを幾つか設定し、同名のROIとしてグループにすることで、体積も計測できます。

・PETのSUVbw値の確認

こちらは、ご存知の方も多いと思いますが、PETのSUV(body weight)も計測や補正が可能です。SULは、体積中の最大値を参照することで確認できます。

・JPEG画像の取り込みとキャリパーによるピクセルサイズ補正

もし、皮膚病変をキャリパー付きで写真撮影して、この写真をOsiriXで計測するには、Pixelのキャリブレーションも可能です。ただ、写真撮影に相当な精度が求められます。例えば、キャリパーを画像に垂直に置くなどです。写真で計測するよりも、直接計測している画像を撮影して、その写真だけを保管する使い方の方が良さそうです。

・レポートを作ってみる

このブログでもレポート機能についてご紹介しています。
pagesやwordなどをうまく利用して、自分だけの画像評価レポートを作ることができます。
レポート例として、EORTCのベースライン評価用レポートテンプレートをご紹介します。

(EORTCのベースライン評価用レポートテンプレート)

OsiriX以外の秀逸なソリューション


以上、標準のOsiriXを用いたRECIST評価をご紹介いたしました。

ひとつ言えるのは、標準では、薬効評価についてはまだまだ開発が必要です。
しかし、RECISTなどに関して言えば、すでに世界には素晴らしい薬効評価のためのワークステーションが幾つか発売されています。

冒頭にご紹介したRECISTのプラグインもそうですが、薬効評価を行うためだけに開発されているものもあります。こういった専門のツールは、やはり汎用ツールにはない気配りがされています。
OsiriXで事足りるよう開発していきたいのは山々ですが、あるものは使わないと損ですので、プロフェッショナルの方々には、素晴らしいソリューションをご利用頂きたいです。

最後に


今回はOsiriXを使ってRECIST1.1評価の流れを見ていきました。
今後も、画像評価クライテリアシリーズとして、別のクライテリアでの評価方法などをご紹介させていただく予定です。

OsiriXでもRECIST1.1評価は可能ですが、より秀逸なソリューションもあります。
Visionary Imaging Services, Inc.では、OsiriX以外のソリューションのご紹介も可能です。ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。

参考資料
  • RECIST1.1:http://www.jcog.jp/doctor/tool/RECISTv11J_20100810.pdf
  • RECIST-WGリンク:http://www.eortc.org/recist/
  • 癌腫の違いにおけるRECIST利用上の留意点:RECIST 1.1 Standardisation and disease-specific adaptations: Perspectives from the RECIST Working Group
  • RECIST評価エクセルver0.1

2016年5月26日木曜日

第16回 OsiriXの標準レポート機能を使いこなす!

前回は構造化レポートその1として、OsiriXを使った画像診断レポートの作成方法や構造化レポートの例をご紹介いたしました。

今回は、もう少しOsiriXの標準のレポート機能を使いこなすための工夫をご紹介させていただきます。

おさらい


OsiriXのレポート機能をご存知でない方は、第15回の記事(https://vis-osirixhowto.blogspot.jp/2016/05/15osirix1.html)をご参照ください。

いろいろなテンプレート


北米放射線医学会のホームページから、いろいろな画像診断医が考案したレポートのテンプレートが公開されています。
興味のある領域を選択して、ご参考にされてください。


テンプレートを自作しよう!


それでは、上記のRSNAのページも参考にしながら、自分だけのレポートテンプレートを作成してみましょう。

執筆時点では、PagesのテンプレートはPagesバージョン9に依存しているようですので、今回はMicrosoft Wordで試していきます。Wordのいろいろな機能を使ってレポートを構成してみたいと思います。

まず、OsiriX Data>WORD TEMPLATEで、OsiriX Basic Report.docをコピーあるいは任意のワードドキュメントデータをこのフォルダに作成します。ファイル名はなんでも構いません。

編集するテンプレートデータをダブルクリックして開けばすぐに編集を始めることができますが、まずは焦らず、OsiriX Basic Report.docの内容を確認していくことから始めていきます。

OsiriXに仕込まれているAppleScriptを使って属性情報入力を自動化しよう!


OsiriX Basic Reportを開いてみると、«»で囲まれている文字があります。
実は、これは評価対象のスタディから自動的にDICOMタグ情報を取得するための工夫がされているマークです。この工夫というのは、Officeのプレースホルダ機能です。

(グレーになっている文字列がDICOMタグから取得される)

OsiriXのレポート機能はAppleScriptが設定されており、レポートテンプレートの文章からプレースホルダーの«»の要素を検索して、DICOMタグの情報をコピーしてくれる仕掛けが施されています。

手入力では入力ミスなどが起こってしまうので、活用したい機能です。

このDICOMタグの指定の方法は、スタディレベルの情報を固有名詞の文字列で指定する方法と、直接DICOMタグを指定する方法があります。
  • Studyレベル Database fields: 次の文字列をプレースホルダで指定します。
  • accessionNumber, comment, comment2, comment3, comment4, date, dateAdded, dateOfBirth, dateOpened, dictateURL, institutionName, modality, name, numberOfImages, patientID, patientSex, patientUID, performingPhysician, referringPhysician, reportURL, stateText, studyInstanceUID, studyName
  • DICOM Field: Pages'09文書のみ、次の2つの書き方で指定できます。(要確認、Wordや最新のPagesでもできるやり方があるかもしれません)
  • «DICOM_FIELD:0x0010,0x0010»
  • «DICOM_FIELD:PatientsName»

プレースホルダーを設定するには、ドキュメントの種類によって操作が異なります。
Wordの場合は、メニューの挿入>フィールドを選択して、MergeFieldを選択して、文字列を指定します。例えば、referringPhysicianを取得したい場合は、次のように設定します。

(Wordでプレースホルダを設定する様子)


こうすることで、AppleScriptにこの文字列が検索されるようになり、自動で置き換わるようになります。

Pagesの場合は、«referringPhysician»と入力したのち、この記号を含む文字を選択状態にして、フォーマット>詳細>プレースホルダテキストととして定義を設定します。このとき、改行記号を含めないように注意してください。

ちゃんとプレースホルダが設定されれば文字の背景色が変わるので、設定の有無を確認できます。

プレースホルダに指定しておかなければ、認識されず置換が行われませんので注意してください。

いろいろやってみよう!


それでは、おおまかにOsiriXのレポートテンプレートの作り方がわかってきたところで、いろいろなテンプレート素材を検討していきましょう。

◯いろんなDICOMタグの属性情報をテーブル表示で自動取得する

スタディレベルの一通りのタグを取得してみました。空欄になっているセルは、タグがないか、タグに値がないものです。検査の基本情報を表にできるのはいいですね。

(Wordテンプレート)
(サンプルデータを選択してレポートを作成、自動でタグ情報を取得)

◯Key imageを挿入するためのイメージプレースホルダーを設定する
※Pages'09ではできませんのでWordでお試しください。

画像を挿入して、イメージのプレースホルダ設定をOnにしておけば、その位置にキー画像を貼り付けられます。


◯定型文書を入力するためのドロップダウンリストを活用する

Wordの開発タブを有効にして、フォームコントロールからコンボボックスを設定し、文章を編集し終わったら最後に「フォームを保護」します。

こうしておくと、定型文をコンボボックスから選択するだけで入力が完了しますね。

(リストには自由な文章を入れられます)

ただし、フォームを保護すると、各種のプレースホルダが使えなくなるので悩ましいです。

その他、PagesやWordは、動画をはめ込む、音声をはめ込む、メールで送信する、などなど、ここでは紹介しきれないほどの多彩な機能を持っています。

この辺りは、時間があるときにまた更新します!

最後に


OsiriXのレポートテンプレートは簡単に作成することができます。

疾患ごとにテンプレートを変えたり、レポートの種類(1次読影、二次読影など)で分けたり、ドーズレポートを作成したりと、いろいろな工夫ができると思います。

DICOMタグを文章中に自動取得することもできますし(Pages'09がおすすめ)、ドロップダウンリストを活用したい人はWordを使うことができます。プレースホルダーを活用すれば、入力手順を誘導することも工夫次第でできそうですね。

また、今回はご紹介しておりませんが、WebでHTMLベースのレポーティングも技術的には可能です。

今回は以上です!

Visioanry Imaging Services, Inc.は、OsiriX用の独自のレポートテンプレートの作成についてご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

Visionary Imaging Services, Inc.は、イメージング技術サポートを通じて、創薬研究や医療機器開発など、臨床試験や臨床研究サポートサービスを展開しています。
医療機関や教育機関向けのOsiriXサポートも行っております。
よろしくお願いいたします!


2016年5月25日水曜日

第15回 OsiriXの構造化レポート!(その1)

今回は、画像から得られるエビデンスを記録する非常に重要なドキュメントである構造化レポートについて、OsiriXを用いた操作方法や操作上の工夫を中心にご紹介いたします。

ご参考;
OsiriXを用いたレポーティングでは、Macの機能を使って簡単に音声入力が可能なことをご存知でしょうか。もしご存知でなかった方は、一度お試しください。
Macでテキストを音声入力する

画像診断レポート


このレポートは、医師(一般的に放射線科の画像診断医)が作成する画像診断報告書です。
根拠に基づく医療という言葉をご存知の方は多いと思いますが、この画像診断報告書は、主治医と患者が最適な治療を行うために、確かな画像から得られるたくさんの情報を正しく理解して治療に役立てるための報告書です。画像診断医は、医師の中で画像の専門家として活躍されています。
その画像診断医を陰ながら支えている放射線技師、看護師、医療事務などもいます。

画像検査の結果、最終的に患者さんの手に届くのはこの画像診断報告書なのですが、最近ではその作成の過程で作られるレポートも研究が進んでいます。例えば、放射線技師が行うチェック診断や一次読影があります。

(一般的な画像検査は主に放射線技師の役割になるため、実際に検査をした放射線技師にしか気付けない画像上の変化や行った手技などを画像診断医や主治医と共有するために、このようなチェック診断や一次読影というものが必要とされつつあります。)

画像診断レポートは、医療の中で重要な役割を果たしているため、そのニーズも高く、レポートの質を高めるための研究も行われています。

例えば、自然言語処理(Natural Language Processing)を用いた入力文章の入力補助や、統制用語や疾患ごとの画像診断知識のモデル化などがあります。

このようなレポートの質を高めるための研究成果を実装する技術として近年注目され始めているのが構造化レポートです。

構造化レポート


構造化レポート(正式には、構造化画像診断報告書:Structured radiology report)は、一般的に、ベストプラクティスなレポーティングテンプレートを開発するためのフレームワークを提供するものとして認識されています。

誤解を恐れずに表現すれば、料理のレシピを連想してもらうといいと思います。
料理のレシピはその料理の最終成果物と作る手順・材料・分量がわかりやすくまとめられています。そして、筆者の考察やワンポイントアドバイスなどもあります。

料理のレシピと同様、画像診断のための構造化レポートも実施された画像検査に対する画像診断の目的と画像の特徴をわかりやすくまとめるためのテンプレートになっています。

なぜ、テンプレートになっているとメリットがあるのでしょうか?

筆者が思い当たるものとしては、知識支援(意思決定支援を目指したもの)とデータベース化などがあります。

このうち、知識支援のメリットについて補足しますと、

人間の脳には限界や差があります。

例えば、この瞬間に脳をフル活用して第六感を目覚めさせなさいとお願いされても難しいでしょうし、3秒間見せられた写真をデッサンでなるべく客観的に再現しなさいといわれても、そのデッサンの結果は人それぞれです。疲労や体調による集中力の波、記憶、書き手が学んできた学術体系の違いなどにもよると思います。完璧に再現できたと評価されるものとそうでない者が現れてしまうでしょう。

これらの結果のバラつきを小さく留め、全員が尤もらしい解を出すためには、尤もらしい解に近づきやすくなる知識が必要です。

十分に解明された特定の疾患を対象とした画像診断レポートがあらかじめ構造化(テンプレート化)されていたら、記載されるキー情報の的も絞られ、書き手のスキルに依存する属人化を小さく留めることができると思います。

それでは、実際にどのようにレポートが作られるか、その例としてOsiriXを使ってそのフローを体験してみたいと思います。

OsiriXの標準レポーティング機能


OsiriXは標準のレポーティングに以下の一般的なドキュメントエディタを利用しています。
  • Pages
  • Microsoft Office word
  • Libre Office
  • リッチテキスト(.rtf)
デフォルトではPagesの設定になっています。
変更するときは、OsiriXの設定画面から設定を切り替えます。

(画面下のReportで切り替え)

以下、Pagesの例を示していきます。

1.作成

レポートを作成するには、レポートを作成したい患者のスタディをデータテーブルで選択した状態で、「Report」メニューアイコンを選択します。
すると、あらかじめ設定されたPagesのテンプレートドキュメントが立ち上がります。


立ち上がったPagesで所見や診断を記載して、必要に応じてキー画像もPNG形式でコピー&ペーストできます。
キー画像のコピペは、2Dビューワに表示されている画像をcommand+Cでコピーし、Pages上でcommand+Vでペーストします。

(レポート編集画面)

Pagesの基本的な機能を利用できるので、デザインの変更も可能です。

レポートを編集後、Pagesを終了すれば、自動的にスタディレベルで.pagesデータが保存されます。
再度編集したい場合は、もう一度同じ患者のスタディを選択した状態で、レポート機能を起動すれば、前回保存したレポートを編集できます。

(Brainix(スタディレベル)にレポートが保存されていることがわかる)

もし、もう編集をしない(できないようにしたい)ということであれば、File>レポートからPagesファイルをPDFに変換して保存しておくこともできます。

レポートの保管場所


上記のように、OsiriXのデータベーステーブル上でレポートの保管状態を確認できますが、実際のデータはDICOMデータと同様、OsiriX Dataに保存されています。

(先ほどのレポートがOsiriX Data>REPORTSに保存されている)

このOsiriX Data内に、PAGES TEMPLATESというフォルダも含まれていることがわかります。このフォルダの中に、「OsiriX Basic Report.pages」があります。このドキュメントが、レポート機能を起動したときに初期設定で呼び出されるようになっています。

もし、レポートのテンプレートを自分流にアレンジしたい!という方は、このテンプレートを編集して、デフォルトで自分のテンプレートを起動できるようにしましょう。
具体的な詳細説明は次回詳述いたします!

以上が一般的なレポーティングの機能です。
次に、構造化レポートのケースを見ていきます。

OsiriXの構造化レポート


OsiriXはバージョン7から構造化テンプレートプラグイン機能が拡張されました。
2016/5時点でデフォルトで使える構造化レポートは次のものがあります。


例として、TAVIレポートを見ていきます。


まず、CTアンギオ画像を2Dビューワで開きます。
それから、プラグインメニューからTAVIを選択します。


あとは、表示されたレポートにステップバイステップで入力をしていくと、最終的にキー画像と計測値がまとまったレポートが完成します。

(必要な特徴をまとめたレポートが作成されたことがわかる)

TAVIレポートについてのより具体的な内容は、こちらをご参照ください。
http://www.osirix-viewer.com/osirix_plugins/TAVIReport/html/manual.html

Pagesで作成するレポートのように、一般的なレポーティングではほとんどの文章をフリーテキストで入力しなければならなかったのに対して、構造化レポートでは、必要な評価項目や記入内容が構造化された上で、フリーテキストで考察できるように設計されていることがわかります。

このように構造化されていることで、フリーテキストで報告される内容よりも、レポートの記載内容が統一されるため、情報の共有にはメリットがあると思われます。

また、この構造化レポートはPACSの中でDICOMとして取り扱うことができます。

(補足)DICOMと構造化レポート


構造化レポートはDICOMで取り扱われます。
DICOMって?と思った方はこちらをどうぞ。


ここでは詳しい話は割愛しますが、DICOM構造化レポート(DICOM-SR)のリファレンスはたくさんあります。
例えば、D.Clunie先生が公開されている資料も参考になります。

最後に


今回はOsiriXのレポーティング機能を中心として、構造化レポートについてご紹介させていただきました。

構造化レポートのメリットは、知識支援やデータベース化などが挙げられます。
電子カルテに記載される診察記録やアナムネのように、構造化レポートもPACSの中で意思決定支援を見据えて着々と進化しています。

構造化レポートは研究分野としてみるとまだ歴史の浅い試みではありますが、フリーテキストよりもデータの蓄積のメリットはあるため、適応が拡大されることを個人的には願っています。

そして、医師だけではなく、医師以外のメディカルスタッフにも理解されやすい情報伝達ツールになることを期待しています。

Visionary Imaging Services, Inc.は、イメージング技術サポートを通じて、創薬研究や医療機器開発など、臨床試験や臨床研究サポートサービスを展開しています。
医療機関や教育機関向けのOsiriXサポートも行っております。
よろしくお願いいたします!

2016年5月18日水曜日

第14回 OsiriXBridge(OsiriX MeVisLab bridge)の紹介!

今回は、OsiriXのプラグインの一つであるOsiriXBridgeを紹介します。

OsiriXは医用画像処理アプリケーションですが、その機能の一部であるサーバー機能を使って、外部の画像処理アプリケーションと併用されることもあります。OsiriXを便利な画像ファイルマネージャとして使えると、OsiriX以外の画像処理ワークステーションやDICOMビューワとシームレスにデータのやり取りができます。

今回は、OsiriXをファイルマネージャとして使った例として、MeVisLabのOsiriXプラグインであるOsiriXBridgeをご紹介いたします。

MeVisLab?


MeVisLabは、医用画像処理と可視化のための迅速なプロトタイピングおよび開発プラットフォームです。執筆時点では、ドイツのMeVis Medical Solutions AGが開発しています。

詳しくはこちらをご参照ください。(http://www.mevislab.de/
ダウンロードはこちらから。(http://www.mevislab.de/download/

その画像処理ライブラリは次の要件を満たします:

  • 6次元画像処理(x, y, z, color, time, user-defined)
  • 急速に発展する研究領域のための完全なモジュール式のC ++インターフェイスで、既存のものを改善/変更したり、新しいアルゴリズムを開発する簡単な方法を提供
  • アルゴリズムからアルゴリズムを組み合わせるパイプラインやネットワーク簡単な方法を提供
  • DICOMなど、標準インタフェースに対応する臨床環境への迅速かつ容易な統合
  • 画像処理における、ページベース、デマンドドリブンアプローチのための臨床ルーチンを考慮した公正なパフォーマンス
主な機能は以下の通りです。

  • Basic image processing algorithms and advanced medical imaging modules
  • Flexible and dynamic 2D/3D visualization and interaction tools
  • Graphical programming of complex, hierarchical module networks
  • High performance for large datasets
  • Modular, extensible C++ image processing library
  • Easy-to-use parallelization options using multi-threading or background processes
  • Object-oriented GUI design and scripting
  • Powerful scripting functionality using Python and JavaScript
  • Integrated text editor with advanced auto-completion and debugger
  • DICOM support and PACS integration
  • Built-in profiler and unit test framework
  • Generic integration of the Insight Toolkit (ITK) and the Visualization Toolkit (VTK)
  • Cross-platform support for 64-bit Windows, Linux, and MacOS X


一般的な画像処理アルゴリズムと可視化ツールのほか、MeVisLabは、セグメンテーション、レジストレーション、容積測定および定量的形態解析および機能解析のための高度な医療イメージングモジュールが含まれています。

これまで、MeVisLabからニューロイメージング、動態解析、手術計画および血管解析のためのソフトウェアアシスタントを含め、多くの臨床プロトタイプが開発されてきました。

開発に出資している会社には、大手の製薬企業や医療機器ベンダーもいます。実際に医療現場で使われている高機能な医用画像処理ワークステーションの機能もMeVisLabで開発されたものを含んでいます。例えば、Syngoなどもその一例です。

MeVisLabは、よく知られているサードパーティのライブラリやテクノロジーを使用しており、最も重要なものは、アプリケーションフレームワークのQt、可視化・相互作用ツールキットOpen Inventor、スクリプト言語のPythonやNumPyおよびグラフィックス標準のOpenGLです。加えて、インサイトツールキット(ITK)と可視化ツールキット(VTK)に基づくモジュールも用意されています。

MeVisLabの医用画像処理例


ここから、MeVisLabでどんなことができるのか、MeVisLabのScreenshotsページのキャプチャ画像を紹介させていただきます。

(血流の流体解析)

心臓の冠動脈解析

冠動脈のOCT画像解析

心臓と冠動脈の3D画像表示

この他にも、頭部の術中支援機能の開発や、トラクトグラフィーの3D画像など、いろいろな機能が考案されています。

これらの機能は、MeVisLabを使えばすぐに誰にでも簡単に作れる!といいたいところですが、MeVisLabの使い方、プログラムコーディングスキルや数学や画像処理に関する知識がなければ、これらのようなプログラムは開発できません。

しかし、勉強さえすれば、こういったアプリケーションが開発できます。時間をかけて徐々にMeVisLabを使えるようになれば、本当に貴重な人材になれるかもしれません。

OsiriXBridge


前置きが長くなってしまいましたが、ここまでで、MeVisLabに興味を持たれた方は多いと思います。そして、このブログを読んでいただいている方は、OsiriXユーザが多いと思います。

OsiriXには、OsiriXBridgeというOsiriXプラグインが用意されています。

正確には、OsiriXをMeVisLabの画像サーバーとして利用できるようにします。

このOsiriXBridgeは、MeVisLabが臨床ユーザーの多いOsiriXと共存できるようにする素晴らしいプラグインです。

以降、その使い方を紹介していきます。

もし、以降の操作をお試しいただく場合は、OsiriXとMeVisLab(2013年のバージョン)のダウンロードとインストールをお願いします。(2016年のバージョンではOsiriXBridgeがデフォルトからなくなっている?ように見えます。私の目で確認しただけなので、間違っているかもしれません)

使ってみよう!

OsiriXBridgeをインストール


OsiriXBridgeのインストールは、MeVisLabを使いながら行います。

同一のPCで、以下の準備をしておきます。

  1. MeVisLab(2013)を起動する。
  2. OsiriX(バージョン3.4以上)を起動する

ここまで準備できたら、次は、MeVisLabにネットワークを作ってみます。
ネットワークとは、MeVisLab上で画像処理を行うためのアルゴリズムを図に示したものです。

このネットワークを作成するために、まず、MeVisLabのメニューのModuleから、File>DICOM>OsiriXBridgeを選択します。



すると、自動的にキャンバス上(ワークスペース上)にOsiriXBridgeというノードが表示されます。

ここから、2つのプラグインインストール方法のいずれかを選択できます。

注意:GRAPHY/OsiriX-KANAGAWAユーザの方は、2016/5/17時点では、インストール方法2の手順でインストールしてください。

インストール方法1)

このパネル上のOsiriXBridgeノードをダブルクリックして、Panel OsiriXBridgeウィンドウを表示します。このパネルの一番左のタブ"OsiriX Setup"で、"Install OsiriX PlugIn"ボタンを押してください。


インストール方法2)

同じ画面右側の"Show OsiriX PlugIn"ボタンを押して、MeVisLabのパッケージの内容に含まれているOsiriXBridge.osirixpluginファイルをコピーし、起動しているOsiriX.appのcontentsフォルダ(ctrl+左クリックで、パッケージの内容を表示で開く)に含まれているpluginフォルダにペーストしてください。その後、OsiriXを再起動してください。

OsiriX-KANAGAWAのユーザの方へ


  • インストール方法2の手順のOsiriX.appをOsiriX-KANAGAWA.appに読み替えてください。
  • Info.plistファイルを以下のように編集してください。編集しない場合、バージョンが読み取られず、OsiriXBridgeプラグインを起動できません。

(OsiriX-KANAGAWA.appのパッケージの内容を表示してInfo.plistをXcodeで開く)

(Information Property Listのプラスボタンを押し、
Bundle versionを追加)
(Bundle versionを追加)
(Bundle versionを4649以上の数字に変更してください)

これで、インストールは完了です。
OsiriXのメニューバーカスタマイズ(メニューバー上で右クリックしてカスタマイズメニュー)から、機能一覧シートを表示し、その中にあるOsiriXBridgeをメニューバーにドラッグ&ドロップしてください。

(シート(右下)にOsiriXBridgeが現れるので、メニューバーに表示させます)

(これです。)

ここまでの操作で、OsiriXとMeVisLabはプラグインを通して画像データをやり取りできるようになりました。ここから、少しだけ使い方を見ていきましょう。

ターゲットネームの設定


OsiriX Setupパネルに、"Alternative target name"というテキストフィールドがあります。これは、OsiriXからDICOMデータをMeVisLabに渡す(ブリッジする)際の指定先になります。デフォルト(ブランクの状態)ではOsiriXBridgeという名前になっています。

OsiriXからデータをMeVisLabにブリッジしたいときに、複数の画像シリーズをいくつかのOsiriXBridgeノードなどで取り扱いたい場合に用います。

例えば、このテキストフィールドに、「MoveToMeVisLab」とすれば、OsiriXのOsiriXBridgeアイコンをクリックすると、ポップアップで「MoveToMeVisLab」を選択できるようになります。ノードが複数ある場合は、このリストが増えます。



さて、次は、いよいよ画像データを使います。

やってみよう!


今回は、一番簡単な方法として、OsiriXBridgeノードに用意されているExampleネットワークを使ってみます。

MeVisLabワークスペース上のOsiriXBridgeノードを右クリックして、そのリストからShow Example Networkを選択してください。


そうすると、次のようなワークスペースの状態になります。


自動で表示されるReadMeメモにも表記がありますが、このネットワークを使うと、OsiriXから読み込まれたデータをこのネットワークの設定に沿って処理し、再度、自動的にOsiriXデータベースに戻す処理が走ります。

この例では、まず、読み込まれたデータを平均化処理し、さらに膨張処理をかけ、膨張処理あり画像となし画像(平均化処理画像)とを差分して、入力されたデータと同じマトリクスサイズで出力するというアルゴリズムが起動します。

手順は次のようになります。

  1. OsiriXのデータベーステーブルで、任意のシリーズを選択(今回は、OsiriXサンプルデータのBrainixのFLAIRで試しています。)
  2. OsiriX上のOsiriXBridgeプラグインを起動し、設定したターゲットネーム(今回はMoveToMeVisLab)を選択
  3. OsiriXデータベースが更新され、帰ってきた処理済みデータを確認

(処理前のFLAIR)
(処理後のエッジ強調画像)

注意:データベースで選択されたデータがしっかりとしたDICOMデータでなければ、読み込みに失敗することがあります。(例えば、患者名がブランクなど。結構シビアです。)

ここまでできた方、お疲れ様でした!

"Advanced Conversion Setup"パネル(補足)


処理のログはMeVisLabのPanel OsiriXBridgeウィンドウの"Advanced Conversion Setup"パネルで確認できます。

もし、エラーがあれば、OsiriXデータベースは更新されず、何も起きません。そのときは、このログを参照してください。

(処理が成功したログ)

このパネルでは、DICOMファイルのインポートのオプションも指定できます。このパネル上のHelpボタンからコマンドが参照可能です。

(DICOM import コマンド「Help」ウィンドウ)

プラグインのソースコード


このプラグインのソースコードはダウンロード可能なSDKフォルダに同梱され、公開されています。秀逸なプラグインで、コードもしっかり書かれています。

以下の場所に格納されています。

MeVisLabSDK_x.x/MeVisLab.app/Contents/Packages/FMEwork/ReleaseMeVis/Projects/MLOsiriXBridge/Sources 

このプラグインソースファイルの場所はバージョンの変更に伴い変更される可能性がありますが、/FMEwork/ReleaseMeVis/のあたりにあると思われます。

GitHubでも公開されています。
https://github.com/MeVisLab/communitymodules/tree/master/Community/General/Projects/OsiriXMeVisLabBridge

終わりに


以上、今回はOsiriXBridgeプラグインをご紹介いたしました。
MeVisLabだけだとちょっと手間、OsiriXだけだとちょっと不満という方にぴったりな画像解析環境ではないでしょうか。どんどん使っていきたいですね。

Visionary Imaging Services, Inc.は、イメージング技術サポートを通じて、創薬研究や医療機器開発など、臨床試験や臨床研究サポートサービスを展開しています。
医療機関や教育機関向けのOsiriXサポートも行っております。
よろしくお願いいたします!