2015年10月30日金曜日

Mac OSを医療ITインフラに統合する -OsiriXを医用画像ワークステーションとして使う-

Mac OSを医療ITインフラに統合する
 -OsiriXを医用画像ワークステーションとして使う-

※より詳細な部分の操作方法や、文章の研磨のために、随時、更新しています。あしからず。

はじめに


医療ITインフラには複数のオペレーティングシステムが共存しています。Mac OS XもそのOSの一つです。
本稿では、マンハイム大学病院の事例を参考にしながら、Macシステムで動作する医用画像ワークステーション「OsiriX」の実装について紹介します。

Macプラットフォームは科学研究で広く使用されていますが、多くの医療機関のIT部門は、Macプラットフォームの採用を躊躇してしまうことは事実です。

これは、既存のシステムがMicrosoft Windowsが支配する環境であるために、この中にMacシステムを統合することは困難である印象が一部のIT担当者の中に定着していることも要因の一つと考えられます。
本稿は、主に、予算に制約のある医療機関が、より手頃な価格で、必要とするイメージングワークステーションを取得する方法を説明することを目的としています。

また、Microsoft Windows中心の環境の中で、このようなMacベースのワークステーションを展開するために必要な手順の概要の説明を含め、医療機関が、OsiriXを医療ITインフラに統合する方法を示します。

増加するイメージングデータのマネージメント


放射線医療では常に革命が起こっています。画像データはそのボリュームや用途が爆発的に増加しています。新しいイメージングモダリティは、一世代前のものと比べて、数百~数千倍のデータ量を取り扱うようになってきています。
より良い画像データは、明らかな利点をもたらしていますが、それはまた、高解像度のボリュームデータセットを高速にアクセスすることのできる強力なワークステーションが必要になるということも意味しています。
最適なワークステーションには、異なるイメージングモダリティから収集したデータを総合的に取り扱うことや、メディカルスタッフが診断に関係する情報を可視化できる専門的な解析アルゴリズムを適用する能力が必要です。
そして、画像処理、ネットワーキング、および2D/3Dアルゴリズムの機能のすべてを直感的なユーザインタフェースを介してアクセスできることも必要な要件になります。

高コストなイメージングワークステーション


メディカルイメージングツールを提供する大手ベンダーは、これらのニーズをターゲットにしたワークステーションソリューションを提供している。
しかし、一般的に、これらのワークステーションの導入やライセンス購入には、およそ400万~600万程度の費用を支出する必要があります。
その結果、予算が苦しい病院や診療所は、高度なイメージングツールを利用することができないまま患者のケアをすることを余儀なくされる可能性があります。
このような現実は、メディカルチームが迅速かつ効率的に救急救命や治療・診断を提供するためのワークフローを確立できないという問題の原因になる可能性があります。

イノベーションを起こすOsiriX


オープンソースソフトウェアの開発者の努力と、強力なアップルのMacシステム(例えば、Mac Pro)により、手頃な価格でイメージングワークステーションを構築することができるようになりました。このワークステーションは、予算的な制約が原因で、病院の放射線科チームしか使えなかったワークステーションを、イメージングデータへのアクセスを必要とする他の医療従事者にも利用可能にするメリットを持っています。

OsiriXは、Mac OS Xのオペレーティングシステムで実行できるオープンソースの画像処理ワークステーション用アプリケーションであり、メディカルスタッフは、放射線科で取得された画像データ(DICOMデータ)や、その他データなど、ほとんどの医用画像にアクセスすることができます。
OsiriXは、事実上ほぼすべてのイメージングモダリティの画像をサポートしており、DICOMネットワーク機能を備えています。

多断面表示、サーフェスレンダリングおよびボリュームレンダリングアルゴリズムを有し、時間軸を加味した心臓MRI・CTなどの4Dイメージングに対応、画像の重ね合わせ表示のためのフュージョン機能なども実装され、商用DICOMワークステーションと同等の高度な機能を含んでいます。

OsiriXは、サードパーティ製のプラグインを実装するカスタマイズが可能であり、さまざまなワークフローへの対応や、画像保管通信システム(PACS)との統合など、柔軟にOsiriXを利用できるよう配慮されています。

OsiriXは、64ビットOS対応アプリケーションとしてインストールすることができ、従来の32ビット対応ワークステーションに比べて、大量のデータセットを高速に取り扱うことができます。

OsiriXは、オープンソースコミュニティの恩恵を受けており、この後押しで、急速に発展しています。
多くのオープンソース開発者は、定期的にエンドユーザーの要求に応じて新しい機能を組み込んでいる。
OsiriX以外にも、コストを意識した放射線医療指向のソフトウェアプロジェクトは存在するが、OsiriXの性能に匹敵するレベルになることは難しいと考えられています。この理由は、このようなオープンソースプロジェクトが、猛烈な技術革新の流れの中で開発されるためです。

Apple Mac ProとMac OS X


アップルのMac OS Xオペレーティングシステムは、UNIXシステムの強力かつセキュリティ対応技術が組み合わさったユーザーフレンドリーなインターフェースをもつ、先進的なオペレーティングシステムの1つです。
バージョン10.5(Leopard)から、Mac OS Xは、現代のCPU(32ビット)のフルパワーを解き放つ4TB(テラバイト)以上の物理メモリと16EB(エクサバイト)以上の仮想メモリの使用を可能にする64ビットアプリケーションをサポートしています。
Mac OS Xは、Objective-CとCocoaフレームワークなどの近代的なプログラミング技術を介して、新しい世代の技術のための安定かつスケーラブルなツールとしてプロフェッショナル向けの環境をサポートしています。

Mac OS XはMac Proシステムと組み合わされることで、高性能ワークステーションになります。例えば、数TBのストレージ、32GB以上の物理メモリ、高性能コアプロセッサ、NVIDIAグラフィックスカードオプションの選択などで、ユーザ要件を満たすことが可能です。
高精細モニターへの画像出力もできます。同時出力可能なモニター制限数もハードウェアの進化とともに許容数が増加しています。

ケーススタディ:マンハイム大学病院におけるOsiriX イメージングワークステーションの統合


マンハイム大学病院は、他の医療施設と同様に、医療情報システムのクライアントコンピュータ用の標準的なオペレーティングシステムとしてMicrosoft Windowsを採用しており、高度なインフラストラクチャを長年かけて開発しています。
この高度なITインフラは、その複雑性から、システムの調整や維持を困難にすることもあり、OsiriXの統合も難しいと考えられていました。しかし、結果的に、このようなITインフラはOsiriX統合の検証をするための適した環境だったということがわかる結果となりました。

マンハイム大学病院(2008年時点)


マンハイム大学病院はドイツ南西部に位置し、ハイデルベルク大学と提携した医療施設です。
病院は(手術、内科、眼科、婦人科など)およそ18診療科と診断および研究のためのおよそ12部門から構成されています。約4500の従業員が、年間約30万の入院/外来患者に対応している中核病院です。

ITインフラストラクチャ


中央IT部門は、患者の記録、検査結果、画像、およびその他の情報を処理・保存するために、施設全体で使用される約2000台のITクライアントと、その管理をするためのサーバシステムを管理しています。
このシステムは、電子メールやインターネットアクセスも提供しており、このインフラを構成するハードウェアは、OSや計算処理能力、ネットワーク構成がそれぞれ異なっています。
利用されていたMicrosoft Windowsは、Windows-NTからVistaまで、多様なOSのバージョンがクライアントシステムに搭載されている状況でした。

LinuxおよびUNIXベースのシステムは、ファイルおよびプリントサーバ、部門サーバ、モダリティ制御システムなどの特殊用途に利用されています。
いくつかの部門ではすでにMacシステムを利用している状況でした。これらのMacシステムは主に、研究者、教師らがなんらかの情報処理やグラフィックスおよびビデオコンテンツ作成のために利用していました。

放射線部門および核医学部門


これらの部門は、一般X線撮影、CT、MRI、小児イメージング、インターベンショナルイメージング、核医学イメージングなど、院内の画像検査を監督しています。
放射線専門家は、検査の計画やレポートにアクセスするために、約150の放射線情報システム(RIS)のワークステーションを利用しています。

このうち、80の画像可視化/処理ワークステーションは、PACSアーカイブで保存された45TBの画像データを扱う設定になっていました。
さらに、4つの部門PACSサーバが、オープンソースや商用の製品でバッファリングやデータ共有のやり取りをしている状況でした。

IT管理とガイドライン


ITインフラストラクチャに新しいシステムを追加するとき、新しいコンポーネントには一般的なIT規制と放射線及び核医学領域の特別な規制への遵守が必要になります。

ユーザとシステム管理者


インフラストラクチャは、いくつかのWindowsドメインによって、ユーザとリソースを整理している状況となっていました。
これらの管理には、Windowsサーバのアクティブディレクトリ(Active Directry)機能を利用しています。この機能により、部門ごとにユーザとコンピュータを識別する運用です。

ITセキュリティ


病院のセキュリティポリシーは、ISO27001の認証規格で概説された国際ITセキュリティガイドラインに準拠しています。
連邦電子情報保安局(BSI)は、ユーザのニーズ把握、セキュリティ対策、データ保護など、その検証や実施方法をガイドラインやマニュアルとして公開しているため、病院のITシステムは、これに従って、商用コンピュータウィルス検出アプリケーション(Sophos Anti-Virus)、デバイス制御ソフトウェア(SecureWave Sanctuary Device Control 3.1.138 )が装備されています。

このような規制に準拠していない患者のデータを扱うアプリケーションは、臨床の環境で使用することが許可されていない。放射線科で使用されるワークステーションも同様です。

放射線医療ワークステーションの統合の要件


マンハイム大学病院では、新しく追加/リプレイスされる放射線ワークステーションが、いくつかの基準を満たす必要がありました。

・電磁場やセキュリティおよび一般的な運用規定

・既存のインフラストラクチャへの統合
コンピュータは、認証サービスおよびファイル/プリントのためのアクセスが可能かつ、既存のドメインまたはAD構造に統合できる必要がある。

・デバイス・アクセス・コントロール
データ保護とウィルス対策、リムーバブルメディアへのアクセス、ネットワークリソース、およびCD/ DVD用の焼き付け機器はユーザレベルで管理する必要がある。ハードディスクへのアクセスを拒否するファームウェアも確保する必要がある。

・ウィルス防護
ワークステーションは、病院が利用している商用ウイルス対策ソフトウェアのクライアントを利用し、ソフトウェアのアップデート用のサービスと接続する必要がある。

・高精細モニターのキャリブレーション、適合性・不変性試験
放射線画像診断に使用するディスプレイは、放射線関連の学会によって、厳密にガイドラインが示されており、画像表示の種類に応じて、モニタは解像度、輝度、コントラスト、および均一性のための最小限の規定にあることを保証されなければならない。

・承認された画像表示ソフトウェアとPACSとの統合
臨床で利用する放射線イメージングソフトウェアはFDAなどの規制を通過したものである必要がある。

・病院情報システムと放射線情報システムとへのアクセス
マンハイム病院では、放射線情報システム(RIS)が、HISクライアントと接続されており、HISでは、画像診断レポートのデータ保持ができない設計になっていた。放射線スタッフは、RISワークリスト、画像診断レポート、オンライン音声認識機能などにワークステーションから直接アクセスする必要があり、このためのRISへのアクセスが必要であった。

マンハイム病院への統合の詳細


2007年以降、マンハイム大学病院の臨床放射線及び核医学部門には、MacプラットフォームのOsiriXイメージングワークステーションが導入されています。
ここからは、これらのワークステーションの展開およびテストの詳細について説明する。

ワークステーションの要件


異なるハードウェア構成を有するいくつかのMac Proの世代は、ユーザの作業環境に応じて、OsiriXのワークステーションを構築するために使用されました。
汎用ワークステーションのハードウェア構成は、以下のApple Mac Proを利用しています:
  • Two 3.0GHz Dual-Core Intel Xeon processors
  • 16GB RAM
  • 320GB system hard disk
  • Two 1TB data hard disks forming a RAID 0 set
  • One SuperDrive (DVD-RW)
  • NVIDIA GeForce 8800 GT stereo graphics card
  • Standard Apple Keyboard and Mouse
  • Two 30-inch Apple Cinema Displays 
2015年現在はよりパワフルな構成になっています。

2008年秋時点で、上記のハードウェア構成のコストは、約US$12550であったことが報告されています。
ワークステーションの設定は、2007年8月時点のApple Online Storeにリストされた商用利用可能なものも含んでおり、これらはUSBケーブルベースヘッドセット(ロジテックプレミアムノートブックヘッドセット)およびディクテーションデバイス(フィリップスSpeechMikeプロ)などです。この他、PEHAのmed CD-LUX濃度計を利用しています。

エントリーレベルのワークステーションの設定


使う機能が限られている場合などは、よりコストを抑えた構成が可能です。
このようなエントリーレベルのワークステーションのコストは、2007年8月時点で、約US$6948であったことが報告されています。
  • Two 3.0GHz Dual-Core Intel Xeon processors
  • 8GB RAM
  • 500GB 7200-rpm Serial ATA 3Gb/sec hard disk
  • 16x SuperDrive
  • ATI Radeon HD 2600 XT 256MB
  • Standard Apple Keyboard and Mighty Mouse (U.S. English)
  • 30-inch Apple Cinema Display 

ワークステーションの統合とセキュリティ対策


任意の新しいシステムを統合する際はいくつかの重要なステップがあります。
システムが通信および生産性アプリケーションと相互運用することを保証することや、患者と病院のデータを保護などです。
この作業には重要なステップが含まれます:
  • 認証サービス、電子メール、アドレス帳ディレクトリの統合
  • 個別/システム全体の両方でのユーザーアクセス制御の設定
  • ウイルス検出ソフトウェアを使用したセキュリティの脅威に対するワークステーションの保護


直接的な統合


OsiriXのワークステーションを追加する最初のステップは、ユーザのファイルサーバとプリントサーバ認証と、病院の電子メールやアドレス帳のアーキテクチャを利用することができるよう、ディレクトリサービスにアクセスすることでした。

ディレクトリサービスは、マルチクライアントのコンピュータ、周辺機器、およびネットワークリソースへのアクセスなど、ユーザの管理のために役立ちます。
これにより、IT管理者が、ユニットやグループにユーザーとコンピュータを構成することで、企業全体のアクセスポリシーを一様に登録することができます。
これにより、ユーザは自分の特定のIT環境内の任意のコンピュータシステムにログオンすることができます。

しかし、ディレクトリサービスへのアクセス設定は、異機種混在のIT環境において、時には面倒なことも起こります。
Microsoft Active Directoryサービスが広く普及している場合、Mac OS XまたはUNIX/Linuxのクライアントでは、多くのIT部門がサポートしておらず、いくつかの医療施設では、代替のオペレーティングシステムの導入を禁止していることもあります。

現在のバージョンのMac OS Xは、Active DirectoryにMacクライアントを統合するためのLDAPまたはMicrosoft Exchange Serverなどの関連サービスでユーザーを認証するための強力なツールを提供しています。
管理者は、Mac OS Xのディレクトリアクセスアプリケーションを使用して、統合の詳細指定や、初期Microsoft Active DirectoryへのMacシステムのサインアップができます。

Mac OS Xの環境にログインしたMicrosoft Active Directoryユーザは、標準のMicrosoft Windowsデスクトップに似た一時的なローカルホームディレクトリ構造にアクセスします。
このホームディレクトリは、通常、Windowsクライアントで検出された個人用のファイルが含まれ、ログアウト時にユーザーのActive Directoryプロファイルに同期します。
また、ユーザーはMac OS Xを経由してファイルサーバやプリンタなどのネットワークリソースにアクセスすることができます。
また、病院の電子メールやアドレス帳アーキテクチャとの統合のために、Microsoft Exchangeのアカウントと関連付けられているLDAPサービスにアクセスするApple Mailのアドレス帳アプリケーションを構成することもできます。

注意:
Mac OS Xは、AD構造を変更することなく既存のMicrosoft Active Directoryに統合されますが、アップルのiCalからExchangeカレンダー機能にアクセスするためには、サードパーティ製のプラグインが必要です。

デバイスへのユーザーのアクセスコントロール


Windowsクライアントの場合、すべてのユーザーのデバイスアクセス許可を制御するサンクチュアリデバイス制御ソフトウェアに依存しています。
マンハイム病院の場合、このツールは中央IT部門ですでにプリインストールされており、ログイン時にユーザー固有のアクセス許可セットを適用しています。

Mac OS Xにおいて、ユーザーの権利を制御する最も簡単な方法はペアレンタルコントロールの設定を使用することです。
すべてのローカルのMac OS Xユーザまたはグループは、許可されたアプリケーションの個々のセットを定義することができ、インストール権を付与または拒否することができます。
Mac OS Xの新しいペアレンタルコントロールアプリケーションは、管理者がMacユーザとグループのためにこれらの設定を制御することを可能にするリモート管理機能を備えています。

しかし、USB/FireWireデバイスへの読み取り/書き込みやシステム環境への詳細なアクセスを指定することはできません。
これらの種類の権限を管理するには、Appleのサーバ管理ツール(server admin tool)を使用することができます。
このワークグループマネージャはユーザーやグループの権限を管理するための強力なソフトウェアパッケージです。

アドミニストレータとしてのMac OS X Serverはローカルでもリモートでも広く使用でき、また、Mac OS Xクライアントをローカルにインストールすれば、より細かいユーザー権限管理を行うことができます。
例えば、管理者はリムーバブルメディアやネットワークの場所へのアクセスに対する読み取りや書き込みを制限することができます (例えば、USBスティックや外付けUSBまたはFireWireハードディスクのブロッキングなど)。
Mac OS Xでの構成では、アプリケーション、CDやDVDの書き込み権限、およびいくつかのユーザーインターフェースの外観の詳細など、アクセスを制御できます。

まだ、これらの詳細なデバイスとアプリケーションのアクセスルールは、Active Directoryのスキーマを変更することなく、ワークグループマネージャアプリケーションの現在のバージョンを介してActive Directoryの「管理対象ユーザ」に直接適用することはできません。
適切な解決策は、Open Directoryサーバとして実行するようにMac OS X Serverシステムをセットアップし、このサーバー上のActive Directory認証サポートをアクティベートします。
Appleのオープンディレクトリアーキテクチャは、標準ベースLDAPディレクトリサービスとして、Microsoft Active Directoryなどの独自のサービスと統合するように設計されています。
オープンディレクトリを経由して、管理者が、Active DirectoryユーザーグループをオープンDirectoryグループに追加することができます。
Mac固有のポリシーは、ワークグループマネージャとともにオープンDirectoryグループを適用することができます。
また、この解決策は、Mac OS XクライアントシステムがActive Directoryとオープンディレクトリに同時に追加され、認証サービスとアクセスルールの両方を提供します。

デバイスへのシステムワイドコントロール


デフォルトでMacシステムは「ターゲットモード」で開始します。
その後、システムは、FireWireデバイスと同様に機能し、そのハードドライブは、FireWire接続を介して第二のコンピュータからアクセスすることができます。
また、Mac OS Xはターゲットモード以外に「シングルユーザーモード」またはトラブルシューティングのための「詳細モード」で起動することができます。
これらは、管理とバックアップのために有用な方法ですが、臨床環境におけるセキュリティの危険性もあります。
第三者の侵入などを防ぐために、Appleのファームウェア・パスワード・ユーティリティを使用して管理者がシステムのファームウェア用のパスワードを設定することもできます。
これにより、ユーザーは、光学デバイスまたは外部のネットワークリソースからアクセスする場合に、上記の特別な実行モードに起動する前に、正しいパスワードを提供しなければならなくなります。
ファームウェアパスワードユーティリティを実行するには、システムをインストールディスクを使って起動する必要があります。アプリケーションは、ユーティリティメニューから起動することができます。

より安全に医療データを保護するために、当たり前の話ですが、存在しないデバイスはハッキングできないことを認識しておく必要があります。
すべての未使用ハードウェアは、物理的に無効にする必要があります。
これは、追加のストレージデバイス、Bluetoothと無線LANアダプタをを取り外すことを含みます。
少なくとも、不要なインタフェースは、システムの対応する環境設定パネルで無効にする必要があります。
ソフトウェアでハードウェアデバイスを無効にするもう1つの強力な方法は、/システム/ライブラリ/機能拡張フォルダ内の対応するカーネル拡張を無効にすることですが、管理者はシステム更新によってこれらのモジュールを再度有効にする必要が有ることに注意する必要があります。
内蔵ハードウェアへの物理的なアクセスを防止するために、Mac Proのシステムはケースロック機構を備えています。
内蔵ハードドライブを固定し、その不正な取り外しを防止します。

コンピュータウィルスの対策


ウイルスやマルウェアに対するMac OS Xでの主な利点は、Microsoft Windowsとは異なるということです。
今日のマルウェアの主なターゲットはWindowsであるため、このような脅威は、Macシステムの主要な関心事ではありません。
しかし、オペレーティングシステムは、ウイルスに対して100%の免疫があるわけではないことは、注意する必要があります。
セキュリティ専門家やウイルス対策製品ベンダーはいくつかのウイルスを検証しており、Windows向けマルウェアが感染した電子メールやドキュメントでも、Macシステムを介して広がることがわかった事例があります。
これらの理由から、ウイルス対策ソフトウェアによってMacシステムを保護することが重要です。

マンハイム大学病院では、Sophos Anti-Virusのエンタープライズウイルス検出システムを使用しており、各クライアントは、スキャンエンジンとウィルスシグネチャを更新するための専用サーバーに接続されています。
Sophosは、Mac OS X用ウイルススキャンクライアントソフトウェアを提供しており、簡単にMacのシステム環境設定内を介して設定できます。
任意の時点で全データ、個別ファイル、e-mailなどのスキャンが可能です。

Active Directoryを利用しない単純な統合


単一の放射線科医専用のOsiriXのワークステーションは、管理権限なしでMacのワークステーションのローカル・ユーザーとして、簡単に統合することができます。
次にシステムデバイスへのアクセス制御に関する前述の方法も、単一のローカルユーザに適用することができます。

HISやRISなどの情報システムへのアクセスがWindowsのエミュレーションに基づいている場合、必要なアクセス権がそのエミュレートされた環境内で設定されるため、Active Directoryへの統合もその中で行われるために、特別なMac OS Xの設定は不要です。
マンハイムでは、単一の放射線科医の個人専用Macワークステーションのためにこの方法が使用されています。

Apple Cinema Display/Thunderbolt Display 


Apple Cinema Display/Thunderbolt Displayはカラーの液晶モニタで、その画素数は一般の高精細モニタに引けを取らないマトリクスを有しています。例えば、Thunderbolt Displayは2560×1440(およそ3.6M)の解像度を持ちます。
このようなMacのモニタに対して、DICOM標準に規定されているテスト方法でグレースケール表示能力を検証した結果、キャリブレーションを行うことで推奨のGSDFカーブへのフィッティングが可能という報告があります。

OsiriXのインストールとPACSへの統合


承認された画像表示ソフトウェア:FDAとCEレギュレーション


ほとんどの国では、臨床で医用画像の読み取りに使用されるソフトウェアは、特定の法的要件を満たす必要があります。
これらの要件には、管理プロセスもとで、品質とリスク管理のコントロールが行われ、ソフトウェアを開発するプロセスも含まれます。
要件には、ソフトウェアのドキュメント(DICOM適合ステートメント、テクニカルドキュメントおよびユーザマニュアル等)やインシデント管理システムのような側面もカバーすることが含まれています。
信頼性、再現性、および一貫性を保った条件のもとで、これらの規格の結果に応じて開発されたシステムが臨床では利用されています。

OsiriXは、オープンソースバージョンとは別に、FDAとCEレギュレーション対応済みのパッケージも低価格で提供されています。

一方で、オープンソースバージョンでは、その開発の流動性がこのようなレギュレーションプロセスに適合できません。継続的なオープンソースコミュニティの開発によるオープンソースのコードは常に変更され、これらの変更は、アプリケーションの不安定さの原因になりえるためです。これにより、品質保証結果が無効になる可能性もあります。オープンソースのOsiriXのバージョンはいくつかの専門的な臨床業務のために使用することができるますが、ソフトウェア・エラーに起因する医療過誤の問題は、ユーザーによって処理されなければならないので、これは、推奨されません。
OsiriXはオープンソースで公開されており、ユーザーからのフィードバックを受けて急速に進化していくことが強さの秘訣です。この強さとレギュレーションとを区別して提供されていることに留意してください。

PACSとOsiriXとの統合


OsiriX内蔵のネットワーク機能は、DICOMに準拠しており、PACSのアーキテクチャにシームレスに統合することができます。
OsiriXは、ユーザーレベルのアプリケーションとして設計されているため、任意のシステムレベルのデータベースサービスのインストールは必要ありません。
OsiriXの統合の際、他のDICOMワークステーションは、OsiriXのワークステーションを参照することができ、逆にOsiriXが他のDICOMデータベースから画像を引き出すこともできます。
また、複数のシステムからの同時クエリをサポートし、リモートでの他のネットワークノードとの画像の転送をトリガすることもできます。
これは、部門サーバなど(gatewayなど)によって、より効率的な映像配信を可能にします。

OsiriXは、研究や教育目的の画像データ管理を容易にするために、複数のローカルデータベースをサポートしています。さらに、OsiriXの画像データベースは、AppleのBonjourプロトコルを介して他のOsiriXと、強力な「ゼロ・コンフィグレーション」通信プロトコル(パスワード保護を使用)で共有することができます。画像を共有するためのBonjourネットワークは、DICOM転送よりも高速です。

病院情報システムと放射線情報システム(HISとRIS)へのアクセス


放射線部門は、患者や検査の情報、スケジューリング、および会計を管理するために、放射線情報システム(RIS)を利用しています。
RISの実装数の増加は、AppleのMac OS Xプラットフォームに実装されるRISの数は増えてはいるものの、ほとんどのRISクライアントは、Microsoft Windowsシステムからアクセスされます。
取り扱うデータごとに、RISに接続する方法があります。
まず、検査のプランニングやドキュメント作成のためのフロントエンドなデータベースを介すことや、レポート作成にMicrosoft Wordなどのプラグインを使い、音声認識も商用のソリューション(例えばPhilips SpeechMagic)を組み合わせます。
RISのシステムがActive Directryに統合されていれば、また設定が変わります。

また、患者情報の通信プロトコルにHL7が利用されていれば、HIS、RIS、PACS間でシームレスに患者情報のやり取りができます。

仮想PC(仮想マシン)の作成


OsiriXを実装しているMacプラットフォームからWindows標準のRISにアクセスするための工夫として、ユーザがMacコンピュータ上でWindowsおよびWindows準拠のアプリケーションを実行できるように、仮想化ソフトウェアを活用できます。
仮想化ソフトウェアは、PCの中にゲストオペレーティングシステムを構築でき、医用画像ワークステーションのハードウェア構成であれば、これらのようなシステムを同時に起動させることができます。
このような仮想化ソフトウェアには、Mac用のParallels Desktop、VMware Fusion、VirtualBoxなどがあります。また、Mac起動時やユーザログイン時に、これらのソフト上に構築した仮想マシンを起動させることもできます。
内蔵ネットワークアドレス変換(network address translation:NAT)の機能によって、通常、仮想PCに個別のIPアドレスを割り当てる必要はありませんが、利用するアプリケーションによっては、個別のIPを設定する必要があるものも存在しますが、個別のIPが必要な場合でも、仮想マシンにIPを割り当てれば問題ありません。

最後に


OsiriXは学術的にも認められた高度な医用画像ワークステーションです。
このOsiriXを適切なMacシステムとともに利用することは、Speed、安定性ともに満足度の高いユーザ評価を受けており、RIS・PACS統合も実現可能であることを、マンハイム病院の事例から示しました。

Macだけにこだわるということではなく、適材適所で必要なソリューションを組み合わせ、ユーザのニーズに最大限答えることのできるシステムに大きな価値があります。

これからは、オペレーションシステムに縛られず、医療情報システムを選択する時代です。
WindowsシステムとMacシステム双方の良さを兼ね備えたマンハイム病院の事例のように、最適な解決策を探求してみてはいかがでしょうか。



2015年10月7日水曜日

第3回 OsiriXの導入事例:スイス・ジュネーブ大学病院

前回、OsiriXを用いた画像表示についてご紹介しますと書きましたが、先に、OsiriXが臨床に普及するきっかけとなった導入事例をご紹介したいと思い、急遽、テーマを変更いたしました。
画像表示については、次回以降書かせていただきます。

ジュネーブ大学15診療科(または部門)の画像解析のニーズを満たす


(ジュネーブ大学病院)


2005年以前、実はジュネーブ大学の内科医や外科医はとある非効率について問題を抱えていました。

もちろん、病院内で放射線科に限っては、高精細モニタ、多列検出器のPETやCTスキャナなどの新しいイメージングデバイスを導入していました。これらのスキャナなどから生成される画像は、治療の計画を助ける豊富な情報を提供します。

医師たちの抱えるとある非効率とは、これらの画像を表示し、解析するための効果的な方法がないことでした。そのため、この課題を解決する術を見つける必要があったのです。

その一つの例として、医師らは、洗練された画像解析を望む場合に、放射線科に設置されたイメージングモダリティに付属しているワークステーションを使用する必要がありました。これらのワークステーションは他の部門に設置するにはあまりにも高価であったため、他部署への導入が難しかったのです。

第二に、こういったワークステーションは、放射線科医以外の医師に使いやすように設計されていませんでした。

そして最後に、こういったワークステーションはそれぞれの医師が各診療分野で必要な本当に効果的・効率的な診断のための、DICOM画像データ解析機能を提供していないと感じている医師もいたようです。

やはり、臨床医が必要とするシステムは、自分のオフィスや会議室で使用することができる高度な解析システムだったそうです。

例えば、腫瘍の治療に関するミーティングなどで画像のレビューが必要だったり、他にも、脳神経外科や整形外科、心臓外科など、手術の計画時や手術時に、すぐに使える画像解析や表示のできるソフトウェアが必要とされていました。

「病院はどこでも同じ問題に直面しています」こう語ったのは、ジュネーブ大学病院放射線/イメージング部門の部長を務めるDr.Osman Ratib氏(以降、オスマン医師)でした。オスマン医師は言います「どのように我々は臨床医に画像を提供するのでしょうか?」。なかなか答えが出なかった状況だったようです。

その解となったのが、「OsiriX」でした。
OsiriXは、Apple社の技術である強力なMacベースのオープンソースDICOMビューア/ワークステーションです。

見事に、OsiriXは、臨床医たちの求めていた2D/3Dソリューションとして、導入されます。大画面の画像表示や高速情報処理計算など、ハードウェア面もMacに支えられて、実現できます。

セキュリティによる保護


ジュネーブ大学では、院内のIT部門と協力して、院内の必要な箇所にOsiriXを稼働させるためのMac ProやiMacを設置しました。OSはもちろんMacOSXで、このOS上にセキュリティ対策を施すことができます。対策を講じることで、患者情報を含む色々なデータの情報をセキュアに取り扱うことができます。

そして、2005年に、それぞれの放射線室をはじめ、放射線科全体で10のMacワークステーションをインストールしました。これは、院内に普及させるための初期段階のテストの意味もありました。

その他にも、利用するチームのためのセキュリティカードリーダの統合や、WebベースのイントラネットポータルとPACSとを統合し、COMPACSというシステムを構築しています。
このポータルから医用画像が参照でき、OsiriXを通して、個人を特定しうる情報の削除などを行えるようにしたのですね。

そして、放射線部門へのインストールは無事に終わり、導入は成功します。オスマン医師は、積極的にMacOSを導入して、稼働実績を作っています。

その後、最終的には、2007年から2008年にかけて、15診療科に、60のOsiriXワークステーションが導入されたそうです。

院内の医用画像に関わるシステムは、WindowsやLinuxなどといったOSがあるように、MacOSXも使われており、ジュネーブ大学病院のように、その実績も証明されています。

日本でも、薬事法が改定され、医薬品医療機器等法になり、プログラム医療機器が認められました。パッケージ製品にこだわる理由は、あまりなくなってきています。むしろ、部分最適をユーザが選択できる時代に突入したと言ってもいいかもしれません。

これからも、OsiriXには注目です!

ビジョナリーイメージングサービスは、日本(特に神奈川の)ユーザーのニーズにいち早く応えるために、GRAPHYを開発しています。オープンソースです。

参考記事:Geneva University Hospital. Filling the Image Analysis Needs of 15 Clinical Departments. 













2015年9月27日日曜日

第2回 OsiriXのインストール

OsiriXでいろいろなポストプロセッシングを体験するために、まずはインストールからご紹介いたします。
まず、OsiriXの種類にはフリー版のOsiriX Lite、FDAクラスⅡCEラベル済みのOsiriX MD、モバイル用のOsiriX HDがあります。
これらのソフトウェアは、Apple社が販売しているMac製品(例えばMac Pro、iMacやMac book Air、iPadなど)で動作します。利用するOperation SystemはMacOS X(またはmacOS)です。

このブログでは、FreeバージョンのOsiriX Lite ver 7.0以降で操作をしていきます。
推奨ハードウェアスペックは以下の通りです。

  • Apple Mac computer
  • OS X 10.8.x から OS X 10.11.x
  • RAM:6GB以上
  • 医用画像を利用する場合には、1280 x 1024 pixels以上のモニタを利用すること

インストール


非常に簡単で、専用のURL(http://www.osirix-viewer.com/Downloads.html)からインストーラをダウンロードするためのリクエストをして、後ほど送られてくるメールに従って、ライセンス条項に同意する「agree」を選択すると、インストーラがダウンロードでき、このインストーラを実行することで、インストールプロセスが開始されます。


インストール時は管理者権限をもつユーザーでインストールを実施してください。

デフォルト設定では、OsiriXはApplicationフォルダにインストールされます。
インストール後、任意の場所に移動して構いません。


インストール後、インストーラは削除して構いません。

そして、アプリケーションフォルダに作成されたオザイリクスの起動ファイル(OsiriXLite.app)からOsiriXを起動します。

起動後、自動的に空のデータベースを含む”OsiriX Data”フォルダがDocumentフォルダに新規作成されます。このフォルダにデフォルトでDICOMデータを保存していくことができます。

バージョンを上げたり、MDに変えたりしても、既存の”OsiriX Data”フォルダは引き続き使い続けることができます。

その他、色々なコンフィグレーションがありますが、それは追い追いやりながら使っていきたいと思います。

起動しやすくするために、DockにOsiriXのショートカットを作りました。
(ImageJの隣に並べました。)



これでOsiriXを利用する準備ができました。

アンインストールは、アプリケーションフォルダ内のOsiriX Lite.appファイルをゴミ箱に入れるだけです。専用のソフト(例えばAppCleaner)で削除することもできるようです。

すっきり消したいという方は、インストール時に作られる関連フォルダと設定ファイルを削除しましょう。一般的には、残しておいても問題はありません。

(補足)
OsiriXは、
DocumentsディレクトリにOsiriX Dataフォルダを作成します。
Library/Preferencesフォルダ下に「com.rossetantoine.osirix.plist」というユーザデフォルトファイルを作成します。
Library/Application Supportフォルダ>OsiriXフォルダにプラグイン用のディレクトリを作ります。

/*
Library/QuickLookフォルダに、QuickLookプラグイン(DICOMQuickLook.qlgenerator)がインストールされる(確認中です)
*/

以上、今回はインストールについて解説しました。
次はサンプル画像を使ってOsiriXで画像表示していきます。

以下、OsiriX Liteのライセンスについてご紹介しておきます。

OsiriX Lite ライセンス条項

OSIRIX LITE END USER LICENSE AGREEMENT

PLEASE READ CAREFULLY: THE USE OF THE SOFTWARE IS SUBJECT TO THE TERMS AND CONDITIONS THAT FOLLOW (“AGREEMENT”), UNLESS THE SOFTWARE IS SUBJECT TO A SEPARATE LICENSE AGREEMENT BETWEEN YOU AND PIXMEO SARL OR ITS SUPPLIERS. BY DOWNLOADING, INSTALLING, COPYING, ACCESSING, OR USING THE SOFTWARE, OR BY CHOOSING THE “I ACCEPT” OPTION LOCATED ON OR ADJACENT TO THE SCREEN WHERE THIS AGREEMENT MAY BE DISPLAYED, YOU AGREE TO THE TERMS OF THIS AGREEMENT, ANY APPLICABLE WARRANTY STATEMENT AND THE TERMS AND CONDITIONS. IF YOU ARE ACCEPTING THESE TERMS ON BEHALF OF ANOTHER PERSON OR A COMPANY OR OTHER LEGAL ENTITY, YOU REPRESENT AND WARRANT THAT YOU HAVE FULL AUTHORITY TO BIND THAT PERSON, COMPANY, OR LEGAL ENTITY TO THESE TERMS. IF YOU DO NOT AGREE TO THESE TERMS, DO NOT DOWNLOAD, INSTALL, COPY, ACCESS, OR USE THE SOFTWARE, AND PROMPTLY RETURN THE SOFTWARE WITH PROOF OF PURCHASE TO THE PARTY FROM WHOM YOU ACQUIRED IT AND OBTAIN A REFUND OF THE AMOUNT YOU PAID, IF ANY. IF YOU DOWNLOADED THE SOFTWARE, CONTACT THE PARTY FROM WHOM YOU ACQUIRED IT.

This document is a legal Agreement between you, the licensee, and Pixmeo SARL. Please read this Agreement carefully before installing the program. By installing the program, you accept the terms of this Agreement. If you do not agree to the terms of this Agreement, quit this installation procedure and promptly delete the files.

1. COPYRIGHT
The OsiriX Lite program (the "Software") is owned by Pixmeo SARL and is protected by international copyright laws.
The OsiriX name is protected : you are not authorized to use it for any other products.

2. LICENSE
Pixmeo SARL grants you rights to use the Software on a single user computer, or on a single terminal or workstation of a multi-user computer as determined by your purchase.

3. COPY RESTRICTIONS
A. This Software is copyrighted and is proprietary product of Pixmeo SARL. You may make one copy of the Software for backup or archival purposes. All other copying of the Software is expressly forbidden.
B. You may not decompile, reverse engineer, copy, transfer, or other-wise use the Software except as expressly stated in this Agreement.
C. You are not authorized to redistribute this Software.

4. TERMINATION
This license is effective until terminated. You may terminate this license at any time by destroying all copies of the Software. This license will terminate automatically, without notice from Pixmeo SARL, if you fail to comply with this Agreement. Upon such termination, you shall destroy all copies of the Software.

5. LIMITED WARRANTY
The Software is supplied "AS IS". Pixmeo SARL disclaims all warranties, expressed or implied, including, without limitation, the warranties of merchantability and of fitness for any purpose. The user must assume the entire risk of using the Software.

6. NO LIABILITY FOR CONSEQUENTIAL DAMAGES
Pixmeo SARL assumes no liability for damages, direct or consequential, which may result from the use of the Software, even if Pixmeo SARL has been advised of the possibility of such damages. Any liability of the seller will be limited to refund the purchase price.

7. MEDICAL DEVICE
This Software has neither been tested nor approved for clinical use. It is NOT certified as a medical device. You cannot use it for medical imaging.
For a certified version, you can use “OsiriX MD” Software, certified as a FDA and CE Class II software.

8. HARDWARE AND SOFTWARE REQUIREMENTS
OsiriX Lite can only be installed on an Apple Mac running OS X.
The requirements are:
Apple Mac computer
OS X 10.8.x to OS X 10.11.x
6GB or higher of RAM
1280 x 1024 pixels or higher monitor certified for medical imaging

9. LIFESPAN
OsiriX versions lifespan is limited by the lifespan of the hardware and OS X operating system versions.
Vintage products are those that were discontinued more than five ago.
This information is available on Apple web site: http://support.apple.com/kb/HT1752
OsiriX versions support stops when running on a product declared vintage or obsolete, or on an unsupported hardware or operating system (see requirements).

ビジョナリーイメージングサービスは、日本(特に神奈川の)ユーザーのニーズにいち早く応えるために、GRAPHYを開発しています。オープンソースです。

2015年8月23日日曜日

第1回 OsiriXとは?

記念すべき第1回は、OsiriXの背景について、調べられる範囲でご紹介させていただきます。みなさん、OsiriXを知って、もしご興味があれば使っていきましょう!ソフトウェアは研究用途なら無料です!
筆者は、OsiriXの開発の歴史に少しでも触れることで、開発者の想いなどを汲み取って、このツールを扱うことができるようになるのではないかと考えています。

OsiriX(オザイリクス)について

OsiriXは、一般的に、DICOMビューワ(またはワークステーションともいえる機能を有する)として利用されています。OsiriXはDICOM画像に協調したイメージプロセッシングソフトウェアですが、DICOMだけでなくさまざまな画像フォーマットをサポートしています。

このOsriXのゴールは、MRI、CT、PET、PET-CT、SPECT-CT、超音波など、「放射線医学機器によって生成される画像の最良のビューワとなること」です。

これを実現するためのキーとなる機能は、画像の表示、読影、ポストプロセスをターゲットにしています。OsiriXは技術的に進んだポストプロセッシングテクニックを2D/3Dで提供します。また、dcm4cheeのようなさまざまなPACSとの統合も可能です。64-bitのOSにも対応しており、この環境で利用された時にベストパフォーマンスを発揮します。

OsiriXはオープンソースプロジェクトで作成され、LGPLライセンスで配布されています。
このオープンソースのバージョンだけなく、OsiriXは幾つかのバージョンを準備しており、その中には認証機関に認証されたバージョンもあります(FDA認証など)。
臨床で診断に利用する場合は、このような認証されたバージョンのOsiriXを、適正なモニターを使って利用することができます。
また、OsiriXはさまざまなオープンソース技術に支えられています。

開発ヒストリー

開発のスタート

OsiriXプロジェクトは2003年11月からスタートしています。
初期バージョンはAntoine Rosset氏(スイスの放射線科医師)によって開発されました。このとき、いろいろなグラントから資金提供を受けています。
OsiriXプロジェクトの最初のゴールは、Rosset氏の友人にティーチングファイルのデータベースを作成するためのDICOM画像をQuickTimeで見れるようにする小さなソフトウェアをシンプルに書くことでした。
Rossset氏は2週間以上を費やしてクロスプラットフォームで動作するJavaのライブラリを探していましたが、ちょうどMacOSX10.3がアップル社からリリースされ、このOSを利用すれば早期に、ロバストでモダンなDICOMビューワが作れると考えたそうです。

1つのDICOMビューワが世界をつなぐ

小さなプロジェクトが若い放射線科医から始められ、OsiriXをLGPLライセンスで開発するためにSource Forgeにアカウントが作られたのは2004年4月のことでした。
最初のバージョンは6ヶ月もかからずに開発されました。(このバージョンは、ポストプロセッシング機能や計測ツールなどのないシンプルなDICOM画像表示と基本的なデータベースがあるだけでした。)
その後、Joris Heuberger氏がUCLAに6ヶ月間のフェローシップで参加し、このときにOsiriXのフライスルーアルゴリズムやサーフェスレンダリング、ボリュームレンダリングのプラグイン機能を開発しました。
その後、2005年にAppleのデザインアワードを受賞するなど、躍進が続き、その後、2009年、ついにGeneva University HospitalにオフィシャルなDICOMビューワとして導入されました。
その後、献身的なアメリカの医師が加わり、DICOM NetworkプロトコルやDCMTKをObjective-Cで利用するDCM Frameworkが追加されました。
そして、2009年3月にこの3人が非営利団体のOsiriX Foundationを設立しました。
このファンデーションは学生がオープンソースソフトウェアを開発するときに資金提供を行っています。また、OsiriXをベースにしたポストプロセッシングやデジタルイメージングの表彰などを行っています。
2010年2月、Rosset氏とHeuberger氏はPixmeo社を設立し、FDAの承認などの活動を展開しています。

今や、OsiriXのユーザーは4万人以上と言われています。
OsiriXはこの圧倒的なユーザーからのフィードバックを受けて進化しています。その中には大学や臨床医も含まれています。
この進化に敵うDICOMビューワは数少ないように思います。

システム要件(2015/8時点)

最小のシステム要件は以下の通りです。

  • OS:MacOSX10.7以上
  • CPU:Intel base
  • Memory:4GB
  • モニター解像度:1280×1024

推奨のシステム要件は次の通りです。

  • モデル:MacPro
  • OS:10.9以上
  • CPU:3.5GHz Quad-core Intel Corei7以上
  • Memory:16GB(DDR3)以上
  • HDD:7200 rpm Serial ATA or SSD
  • モニター解像度:最小で2048×1152
ここまで読み進めていただいた方にはすでにお分かりかと思いますが、OsiriXはMacでしか動かすことができません。
今のところ、Mac OSXは、Mac以外の機器で起動することをライセンス上許可されていないので、仮想OSなどでも、Windowsでは起動できません。

みなさん、思い切ってMacでどうでしょうか笑。

大企業のパッケージPCもいいかもしれませんが、ハードウェアは7年間使うようなら、知らない間に決まっているチープかもしれないハードより、そこまでこだわって構築した"使える"ハードウェアを使いたいですよね。

今のシステムと比較する価値はあるかもしれませんよ。

読んでいただきありがとうございました!
次回はインストールについてご紹介予定です!

ビジョナリーイメージングサービスは、日本(特に神奈川の)ユーザーのニーズにいち早く応えるために、GRAPHYを開発しています。オープンソースです。

2015/8/23 VISブログ担当

参考URL;
  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/OsiriX
  2. http://www.osirix-viewer.com/AboutOsiriX.html
  3. OsiriX Manual

OsiriX HOW TO! 「はじめに」

VIS, Inc.のブログ担当です。

OsiriXは医用画像解析のための頼れるツールです。

本ブログでは、ユーザーの立場から、OsiriXの使い方をご紹介させていただきたいと考えております。使い方は、机上理論ではなく、本当に現場で必要な「生」の使い方を意識していきたいと思います。

Have fun !!

ビジョナリーイメージングサービスは、日本(特に神奈川の)ユーザーのニーズにいち早く応えるために、OsiriX-OSを活用した「GRAPHY」(旧OsiriX-KANAGAWA)を開発しています。オープンソースです。

編集予定

  1. 第1回 OsiriXについて
  2. 第2回 OsiriXのインストール
  3. 第3回 OsiriXの導入事例:スイス・ジュネーブ大学病院
  4. 第4回 OsiriXのパワフルな機能の紹介
  5. 第5回 OsiriXの画像表示機能!
  6. 第6回 OsiriXのパワーを引き出すプラグイン総説(簡単にご紹介)
  7. 第7回 OsiriXの開発環境構築(警告メッセージなしのOsiriX Lite)
  8. 第8回 OsiriXのプラグイン開発方法-Hello OsiriX! dialog-
  9. 第9回 OsiriXを用いた医用画像の表示-2D表示の詳細-
  10. 第10回 OsiriXのデータベース
  11. 第11回 OsiriXでCTコロノグラフィ画像確認!
  12. 第12回 OsiriXでPET画像表示-フュージョン・SUV(bw-max)算出設定を含めて-
  13. 第13回 OsiriXで股関節の計測!-(CEとSharp)-
  14. 第14回 OsiriXBridge(OsiriX MeVisLab bridge)の紹介!
  15. 第15回 OsiriXの構造化レポート!(その1)
  16. 第16回 OsiriXの標準レポート機能を使いこなす!
  17. 第17回 OsiriXでRECIST1.1評価を学ぶ!(評価クライテリアシリーズその1)
  18. 第18回 放射性核種の放射能量減衰計算ツールの紹介
  19. 第19回 OsiriX-KANAGAWAのインストール
  20. 第20回 OsiriXの計測ツール活用!(ROIツール、ROIマネージメント)
  21. 第21回 OsiriXを快適に利用するためのハードウェア
  22. 第-回 OsiriXとEDCの連携!(OpenClinicaBridgeプラグイン)
  23. 第-回 OsiriXの3Dビューワ機能詳述(医用画像3DレンダリングデータをSTL出力するまで)
  24. 第-回 MRIで心筋を解析する-InTagプラグイン-
  25. 第-回 OsiriXのMPR機能詳述(Orthogonal, curved etc)
  26. 第-回 OsiriXを臨床試験のモニタリング業務で使う!(イメージングスタディのリスクベースドモニタリング:概論編:その1)
  27. 第-回 OsiriXを臨床試験のモニタリング業務で使う!(イメージングスタディのリスクベースドモニタリング:RACT編:その2)
  28. 第-回 OsiriXで考えるエルゴノミクス!
  29. 第-回 OsiriXのDICOM通信設定(DICOMサーバーに繋げよう!)
  30. 第-回 OsiriXのファイルマネージメント
  31. 第-回 OsiriXで動画作成!
  32. 第-回 OsiriXの画像フィルタリング機能
  33. 第-回 OsiriXでCTコロノグラフィのフライスルー
  34. 第-回 OsiriXのセキュリティ
  35. 第-回 研究用無料クラウドDICOMサーバー(AWS)とOsiriXの接続
  36. 第-回 OsiriXの多言語化


本ブログの運用について

  • 更新は不定期です。
  • 記事の内容に対する建設的なコメントは歓迎いたします。
  • プライバシーポリシーは、VISのプライバシーポリシーに準じます。

その他、追記事項があればここに追記いたします。

Visionary Imaging Services, Inc.
CEO Tatsuaki Kobayashi