画像の表示は、医用画像ビューワの一番ベーシックな機能です。しかし、単に表示だけできるという単純なものではなく、複数の患者データの画像を表示したり、複数シリーズを表示したり、画面のレイアウトの変更や、ショートカットキーなど、細やかな開発者の気配りがなされています。
ここでは、このような機能について、使い方も含めてご紹介していきます。
ローカルデータベースウィンドウ
まずは、オザイリクスの初期起動画面となるローカルデータベースウィンドウから見ていきます。オザイリクスの各種操作はすべてこの画面を起点にして行っていきます。
画像操作については、スタディリスト上に表示されている画像データを選択し、スタディに含まれているシリーズリストと、選択シリーズの画像のプレビューを行うことができます。
各種、詳細設定については、メニューバーの"OsiriX"から"環境設定"を選択して設定できます。
ローカルデータベースウィンドウ
ダブルクリックで起動する2Dビューワ
それでは、早速、画像を表示してみます。画像はDICOM画像です。まずは、スタディリストか、シリーズリストから、任意の画像を選択(ダブルクリックあるいは選択した状態でツールバーの2Dビューワを起動)して、2Dで横断像を表示してみます。
2Dビューワ
2Dビューワでは、画面左側のシリーズリストから表示する画像を切り替えることができます。同様に、メニューバーのシリーズドロップダウンリストからも切り替えることができます。
また、メニューバーのウィンドウを複数のウィンドウにすれば、複数シリーズが同時に表示できます。
ウィンドウを3ウィンドウに変更
このように表示することで、同じ位置を検査している場合には、ある程度の位置を同期しながら観察することができます。同期というのは、異なる時間に撮影された同じ検査範囲の画像、あるいは、元画像は同じで画像処理がそれぞれ異なる画像などを、複数のウィンドウで表示して、このすべてのウィンドウ(この例では3ウィンドウ)に表示されている画像が、同時にページングされる(スライス送りされる)ことをいいます。この同期の位置の調整や同期のOn/Offはツールバーの2Dビューワの機能の中に含まれています。
また、PET-CT、PET-MRIなど、最近では異なる撮影(撮像)原理で取得された画像を重ね合わせて表示することがあります。これは、PET装置から取得される画像の精度を高めるためや、解剖学的位置がはっきりわかる画像とぼやけて見えるPET画像とを重ね合わせることで、位置関係の観察をしやすくするために利用されます。
このような表示も、オザイリクスは標準搭載です。
(3ウィンドウでPET-CT3シリーズを表示)
ここで、一番左側の画像が重ね合わせ画像(フュージョン画像)です。
このフュージョンもオザイリクスは自動で行ってくれます。また、重ね合わせの組み合わせは、画面左のシリーズリストの色で判別できます。赤はベースの画像、緑が重ねられている画像です。この組み合わせはデフォルトでは自動で行われますが、組み合わせを任意に変更することもできます。ひとつは、データベースウィンドウに戻ってから、ベースとなる画像を選択した後に、重ねたい画像を"command"+左クリックで選択して、2Dビューワを起動します。
(重ね合わせ画像:緑のシリーズが変更された)
もうひとつは、ウィンドウの上部のウィンドウ名が表示されている部分を左クリックして、ベースとなるCTやMRI画像のウィンドウにドラッグします。
(PET画像ウィンドウ上部をドラッグして、CT画像ウィンドウにドロップ)
すると、ポップアップが現れるので、イメージフュージョンをそのまま選択すれば、フュージョンが実行されます。もう一工夫、位置あわせの調整なども可能ですが、これはまたの機会にします。
また、重ね合わせている画像が煩わしくなった時や、少し透過度を変えて見たいときなどは、透過度を変更できます。これは、フュージョン画像を表示しているウィンドウを選択した状態で、(command+Shift+F)または、メニューバーのスケールを調整します。ただし、デフォルトでは、スケールが表示されないので、ツールバーのフォーマットから、ツールバーをカスタマイズから、表示される設定画面から、メニュー画面へ追加するようにします。この方法で、ツールバーは好きなようにカスタマイズできます。
("ツールバーをカスタマイズ"を起動した画面)
複数画像を位置ウィンドウの中に指定の行列でタイル表示することもできます。これは、2Dビューワのタイル表示機能を用います。
(5×5タイル表示)
画像だけでなく、画像に付帯する患者情報の確認も可能です。これは、基本情報だけであれば、メニューバーに設定されたラジオボタンや、詳細を見る場合には、メタデータから閲覧することができます。
(メタデータの表示)
また、ウィンドウ内でShitを押すと、拡大レンズ(4倍ズーム)や、2D曲面MPR・Orthogonal Reslice(直行面MPR)、さまざまな隠れショートカットキー(ホットキー)、例えば、2Dビューワからローカルデータベースウィンドウへ戻る(Command+D)など、書ききれない機能がたくさんあります。これらの機能については、また追い追い触れていきますが、ほとんどの機能は、ツールバーの2Dビューワのリストや、2Dビューワウィンドウのメニューバーに集約されているので、試して損はしないので、いろいろとやってみるとおもしろいと思います。
今回はよく使う2D画像の表示方法について述べました。
自分の利用用途に応じて操作方法を習得すると、さくさくと業務が進むかもしれません。
Visionary Imaging Services, Inc.は、イメージング技術サポートを通じて、創薬研究や医療機器開発など、臨床研究(臨床試験)サポートサービスを展開しております。OsiriXシリーズも販売中です!よろしくお願い致します!
ビジョナリーイメージングサービスは、日本(特に神奈川の)ユーザーのニーズにいち早く応えるために、GRAPHYを開発しています。オープンソースです。
0 件のコメント:
コメントを投稿