2016年1月1日金曜日

第4回 OsiriXのパワフルな機能の紹介

今回はOsiriXのパワフルな機能をざっくりとご紹介いたします。
特徴や活用用途などについて簡単に解説いたします。

OsiriXの機能一覧


OsiriXは数ヶ月に一回マイナーチェンジ、年に一回程度、大幅なバージョンアップがされています。2016年1月時点で、OsiriXの最新バージョンは7.xです。
このOsiriXの主な機能は以下のようなものがあります。(詳細な機能や搭載技術はこれに限りません)


  • 2Dビューワ
  • 3Dビューワ
  • 4Dビューワ
  • マイクロPACS
  • HIS/RIS連携


今回はこれらの機能について概要について触れたいと思います!

2Dビューワ


OsiriXは医療施設で使うことを想定した医用画像表示ソフト(DICOMビューワ)としての機能をしっかりと備えています。PET画像でよく行われるフュージョンも可能です。

(起動画面)

(2Dビューワ表示画面)

主な計測機能には距離、角度、面積、矩形および楕円形の面積、関心領域(ROI)を束ねた体積計測などがあります。

(各種表示設定機能)

(計測機能)

(WW/WLコントラストプリセット)

(カラールックアップテーブル)

画像の操作では、WW/WLのプリセットからの選択やマウスドラッグによる任意コントラスト調整、画像回転、拡大縮小、拡大レンズ機能、画像パンニング(移動)、過去画像との比較表示、複数シリーズ同時表示(表示タイル選択分割)、カラールックアップテーブルの設定などが行えます。

3Dビューワ


3Dビューワとして利用する場合には、CTやMRIなどの画像からボリュームレンダリングを行ったり、最大値投影法(3D MIP)を使った表示をしたり、表面だけをレンダリングするサーフェスレンダリング、ボリュームレンダリングの視点を内部に設定したバーチャル3D内視鏡機能(CTコロノグラフィーやブロンコグラフィー)などが利用できます。
ボリュームレンダリングだけでなく、MPR機能も豊富で、一般的な多断面表示に加えて、曲面MPRも作成可能です。

(ボリュームレンダリング)

(フライスルー:CTコロノグラフィー)

(MPR)

カーブMPRはこちらを。
(http://www.osirix-viewer.com/OsiriX-GUI/Aorta%20Segmentation.m4v)

4Dビューワ


OsiriXでは、上述のような3D表示機能に、時間軸も加味した画像表示機能が備わっています。例えば、時間をずらして撮像したCTやMRIたアンギオ画像などを経時的に観察できるため、臓器の機能や動きなど、時間の経過による変化を見る用途に向いています。

4Dプレーヤモードはこちら(動画がダウンロードできます。)
※複数シリーズを同時に表示して観察できるということがわかります。

マイクロPACS


PACSとは、画像保存通信システムのことです。
OsiriXはそのままのデフォルト設定で、比較的小規模のPACSとして機能します。実際にクリニックなどではOsiriXそのままで運用されているケースもあるようです。
数百〜千床以上ある病院では、DICOMサーバと連携させて本格的な大規模PACS構築も可能です。DICOMプリントとレポート作成機能もあります。

OsiriXはDICOM3.0に完全準拠しており、この規格で運用されている画像、例えば、レントゲン画像(CR/DR)、アンギオなどの透視画像、CT、MRI、DEXA、PET、SPECT、超音波、内視鏡、眼底カメラなどのさまざまな画像診断機器から作成される医用画像をDICOM暗号化通信を利用して共有したり、ビューワ機能で表示したりすることができます。

OsiriXのローカルデータベースにはSQLiteというデータベースエンジンが採用されています。ハードウェアのスペックにも依存しますが、約10,000スタディを越えると動作が重くなるという報告もあります。

もちろん、他院から持ち込まれた医用画像の取り込みや、その逆のパターンで、他院に紹介をするときの画像やレポートの出力も可能です。

(クライアント設定:AWS EC2との接続)

(DICOMリスナー設定:他のアクターと接続するための設定)

HIS/RIS連携


OsiriXはHIS/RISのアプリケーションではありません。しかし、このようなアプリケーションが画像診断関連のネットワークシステムに組み込まれている場合は、ネットワークアドレス管理のもとで、特定の情報をシェアすることができます。これを実現するのが、XML-RPC機能です(ユーザーコミュニティはこちら:http://xmlrpc.scripting.com/)。
OsiriXはこの機能を使って特定のDICOM情報をXMLにして、httpを使って通信します。

OsiriXにはすでにXML-RPCメッセージがいくつかビルトインでサポートされているので、あとはこれらをうまく使うことで、HL7のCDAドキュメントとうまく連携させることができます。

(XML-RPC設定)


プラグインによる機能追加


上記の機能のほか、OsiriXユーザや研究者が独自に開発したプログラムをOsiriXで利用可能にするプラグインも豊富に公開されています。
これらのプラグインはユーザーが開発することもできます。独自開発プラグインは開発者の著作で取り扱うこともできます。あるいは、Pixmeoに連絡して正規プラグインとして取り扱ってもらえるかどうか相談することができます。

現在もたくさんのプラグインが公開されており、これらをインストールするためには、起動画面のプラグインメニューからプラグインマネージャを起動して、任意のプラグインをインストールすることができます。

(プラグインマネージャ)
※任意のプラグインをインストールできる。

おわりに


いくつかの代表的な機能の概要を紹介しましたが、ここでは紹介できていない機能がたくさんあります。いくつかの機能の紹介はPixmeoが公開しています。(http://www.osirix-viewer.com/Snapshots.html)

実際には、これらの機能を実情に合わせて利用することになります。次稿より、各機能に特化して、具体的な操作も交えてご紹介をさせていただく予定です!

Visionary Imaging Services, Inc.は、イメージング技術サポートを通じて、創薬研究や医療機器開発など、臨床研究(臨床試験)サポートサービスを展開しております。OsiriXシリーズも販売中です!よろしくお願い致します!

ビジョナリーイメージングサービスは、日本(特に神奈川の)ユーザーのニーズにいち早く応えるために、GRAPHYを開発しています。オープンソースです。


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